SMALL TOWN HOSTELの「オンライン宿泊」を体験しました|函館

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新型コロナウイルスの影響により、ゲストハウスは全国的に休業状態となっていましたが、先日の緊急事態宣言の解除により、少しずつ営業を再開しはじめています。とはいえ、まだだま予断を許さない状況。再開したゲストハウスも、相部屋を個室に切り替え、レジャーよりレジデンス使いを推し、遠距離より近距離のユーザーをメインターゲットとするなど、さまざまな対策を検討して慎重に運営を行っています。

現在各地で“のれん分け”が広がるWhyKumanoの「オンライン宿泊」も、当初はコロナ対策として誕生した企画の一つ。ですが「ゲストハウスの魅力を凝縮して体験できる」と評判でリピーターも多く、子育て世代・ペットあり・足の不自由な方など、ゲストハウスや旅に興味はあってもハードルを感じていた潜在層にもアプローチできることから、宿の再開後も新サービスとして定着する可能性が高まっています。

先日まさに、北海道函館市にある「SMALL TOWN HOSTEL Hakodate」で、ゲストハウスの通常営業の再開と共に「オンライン宿泊」がはじまりました。初日となる2020年5月19日、FootPrintsだりも自宅から“宿泊”しましたので、その様子をレポートします!

函館の旅を2時間で擬似体験する「オンライン宿泊」

SMALL TOWNの「オンライン宿泊」は、ビデオ通話のツールZoomを用いて、定員6人で夕刻から2時間で開催されます。チェックインにはじまり、ゲストハウス館内のライブ配信や参加者の自己紹介を経て、函館の町に繰り出し、旅の擬似体験ができるというもの。オンライン宿泊代は1人1,000円です。

開催情報は、FacebookまたはInstagramからゲットします。直近の開催日が随時告知されるので、ダイレクトメッセージを送って、OKの返事が来たら予約完了。開催の数時間前に、Zoomのログイン方法や、電子決済サービスPayPayによる支払い方法、簡単なチェックインフォームなどが個別メッセージで送られてくるので、案内に従って準備をします。

果たして、どの地域から(国内だけとは限りませんっ)どんな人がやってくるのか…知り合いいるかな…などと期待と微かな緊張に胸を膨らませながら定刻になったらチェックイン!

参加者全員が揃うと、函館駅からゲストハウスに向かうまでの道のりをまとめたストーリー・ムービーが映し出され、オーナー蒲生 寛之(がもう・ひろゆき)さんによる案内がはじまります。

宿館内の写真を背景画像にすると、宿のラウンジにいる感が醸し出されるので、おすすめです(笑)
駅前から出発。函館港と函館山に挟まれた町を走る路面電車に乗って、ゲストハウスへ。

ムービー上で宿に到着すると、次はライブ配信による館内案内がはじまります。SMALL TOWNの場合、蒲生さんが自撮り棒を持って案内してくれるのですが、往年のプリクラのように固定フレーム化している蒲生さんの存在に気付くと、じわじわとニヤついちゃいます。

「自分の人生で自撮り棒を買うことなんて無いと思ってたんですけどね」と蒲生さん。他の参加者の方からも「思わず蒲生さんを目で追ってしまう」という感想が出るなど、だんだん皆の目的が、館内鑑賞から蒲生さん鑑賞にシフトしていく妙な一体感も楽しかったです(笑)

館内をめぐりながら「新型コロナウイルス対策として、消毒を徹底して加湿器を置くようにしたんです」や「現在、相部屋は個室として提供しています」「和室タイプの個室は小さなお子さんのいるご家族に人気ですね」などといった情報を教えてもらえるので、実際の訪問に向けた安心感も得られます。

共用ラウンジ。過去に宿泊した際に、ここでいただいた朝食が最高に美味しかった!
宿のウッドデッキから見た景色。まち並み越しに函館港を眺めることができます。
個室のタイプもいろいろ。室内にトイレ・シャワーが備わっている個室もあるそうです。
宿が入っているのは、築約100年の土蔵と洋館を改装した「大三坂ビルヂング」内。目を凝らすと蒲生さんが見つかります(笑)

ストーリー・ムービーを観つつ、函館の町へ繰り出す

館内の案内後、参加者の自己紹介タイムが終わったら、今度はオリジナルマップと2本目のストーリー・ムービーを用いたエリアガイドがはじまります。

1本目もそうでしたが、ムービーの映像がとってもかっこいい。魔女の宅急便に登場するオソノさんの旦那さんのような店主のいるパン屋や、羊のお肉が苦手な人でもハマるジンギスカン屋、地域のおばあちゃん・おじいちゃんが集まるカラオケスナックなど、登場する店や人もどれも素敵です。

蒲生さんのナイスな解説も相まって、函館にどんどん行きたくなる。人によって懐かしんだり、いつか訪れたいと思いながら、皆でワイワイ言いながら映像を観進めていきました。

オリジナルマップ。実際宿泊したゲストに渡しているものと同じだそう。
想像以上に海が近い函館。ムービーには、とっても気持ちのいい景色が流れます。
函館の寒さをナメてかかって薄着で後悔した時に立ち寄りたい、手軽でおしゃれな服屋も教えてくれます。
歴史的建造物が多数残る、レトロな町並み。

最後は、函館を舞台にした邦画に思いを馳せながら

その後、Googleマップを用いてムービーには収まっていなかったローカル・ディープな追加情報を教えてもらったり、写真共有サービス「Livecanvas」を用いて一人ひとりの旅の思い出をシェアしたりしながら、交流を深めていきました。

最後に蒲生さんが、函館を舞台とした邦画4作品を教えてくれました。「オンライン宿泊」の後に観るもよし、事前に観て「オンライン宿泊」をより深く楽しむもよしですね。

著名な俳優陣ばかり。実際に函館へ訪れる前に観ると、旅がもっと面白くなるそう。
こうして、あっという間に2時間が経過。皆さん、ありがとうございました!

緊急事態宣言は解除されたものの、当然ながら函館の町も人通りはまだ少ないそう。「普段混み合っている食堂に訪れてもお客さんがほとんどいなくて。でも、そのおかけで店主の人と初めてちゃんと会話ができたりして。コロナがもたらした思わぬギフトですね」と蒲生さん。

どれだけ大変な状況であっても思考を転換することで、目の前にある物事の貴重さに気付けるって素敵ですよね。今回の「オンライン宿泊」を介した出会いもしかりです。

ぜひ皆さんも、その日にしかないギフトを見つけに「オンライン宿泊」を体験してみてくださいね。